編集:株式会社A-LINE
更新:2026年9月24日
親から受け継いだ家を売るとき、「3,000万円の控除が使えるなら税金はかからない」と考えていませんか。確認したいのは、売却による利益と、その家・売り方が制度の条件に合うかどうかです。解体や契約を進める前に整理すると、売却後の手残りを見通しやすくなります。
この記事のポイント
- 税金の計算は、売却価格から取得費や売却に直接かかった費用を差し引くところから始めます。
- 相続空き家の特別控除は、建築時期・利用状況・期限などの条件を満たす場合に適用されます。
- 解体・耐震改修の進め方と必要書類を先に確認し、特例を使う場合は確定申告を行います。
1.3,000万円は「譲渡所得から差し引く金額」
土地・建物の売却による利益は「譲渡所得」といい、基本は次の計算です。
譲渡所得=売却による収入金額-取得費-譲渡費用
取得費は購入代金や購入時の手数料などです。相続した不動産では、原則として亡くなった方が取得したときの費用を基に計算し、建物は減価償却を考慮します。売却のための仲介手数料や測量費などは譲渡費用になる場合があります。
特別控除は、ここで計算した利益から差し引く仕組みです。3,000万円が返金されるわけでも、売却価格そのものが3,000万円下がるわけでもありません。購入時の契約書が見つからない場合は、取得費の確認方法を税理士へ相談しましょう。
2.相続空き家と、自分が住んでいた家では制度が異なります
| 家の状況 | 主に確認する制度・条件 |
|---|---|
| 親などが住んでいた家を相続した | 相続空き家の特例。建築時期や相続前後の利用状況などを確認 |
| 自分が住んでいた家を売る | マイホームの特例。居住の実態、住まなくなった日、売却期限などを確認 |
「いま空き家だから」という理由だけでは、制度を選べません。以前住んでいたマイホームには、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末まで、という売却期限があります。先に建物を取り壊す場合は、解体後の契約期限や敷地の使い方にも条件があるため、解体前に確認してください。
3.相続空き家の条件を、資料で確認しましょう
次の項目を「確認済み・未確認・当てはまらない」に分けると、相談時に状況を伝えやすくなります。該当数で適用を判定するチェックではありません。
| 確認する項目 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 家と取得方法 | 1981年5月31日以前の建築で、区分所有建物登記がない家か。対象の家屋と敷地を相続等で取得した相続人か |
| 居住・利用状況 | 原則、相続直前は亡くなった方の一人暮らしだったか。相続後に賃貸・事業・居住に使っていないか |
| 売却期限 | 相続開始から3年を経過する日の属する年の年末まで、かつ現行制度では2027年12月31日までか |
| 価格と相手 | 代金は1億円以下か。分割売却や他の相続人の売却分を合算する必要はないか。親族等への売却ではないか |
| 売却方法 | 必要な耐震基準を満たす方法、または家屋全部を取り壊す方法などの条件を満たすか |
これは主な確認事項です。他の特例との関係など、表以外の要件もあります。老人ホーム等に入所していた場合も、認定・施設の種類・入所後の家の利用状況など、一定の条件を満たせば対象になることがあります。
控除額は最高3,000万円ですが、2024年以降の譲渡で、対象の家屋と敷地を相続等で取得した相続人が3人以上の場合は最高2,000万円です。単に兄弟姉妹の人数で判断せず、取得内容を確認します。
4.解体と契約は、税金の確認と並行して
2024年以降の譲渡では、売却後でも、譲渡年の翌年2月15日までに一定の耐震改修または家屋全部の取壊しを行う方法が対象に加わっています。ただし、買主との口約束だけで特例が確定するわけではありません。
売却後に工事を行うなら、実施者・費用負担・完了期限・証明書類への協力を契約前に整理します。解体を先行させる場合も、必要な資料を確保し、解体後の土地の利用条件を確認してください。
相続税が課税されている場合は、その一部を取得費に加算する別の特例が候補になることもあります。同じ不動産について相続空き家の特例と併用できないため、適用可否と手残りを税理士に比較してもらいましょう。
5.今日からそろえたい資料
- 購入時の契約書・領収書、登記事項証明書など
- 相続開始日、取得者・持分がわかる資料
- 亡くなった方の居住歴と、相続後の利用状況を整理したメモ
- 売却の見積り、解体・改修の見積りと予定時期
特例の利用には確定申告が必要です。物件所在地の市区町村が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」や、売却方法に応じた証明書類などを準備します。具体的な適用と税額は、契約前に税理士または税務署へ確認してください。
空き家をどう売るか、一緒に整理します
A-LINEでは、さいたま市緑区・東浦和周辺の不動産について、現況で売る方法と解体して売る方法、見込める価格、必要な費用を整理します。税務確認に必要な物件資料も、売却準備の中で確認していきます。
まだ売ると決めていなくても構いません。お問い合わせ欄に「相続した空き家の売却相談」とご記入ください。
国税庁の令和8年4月1日現在の法令等に基づく案内を参照しています。情報確認日:2026年9月24日。

















