A-LINE / 不動産売却ガイド
「自宅の土地は相続税が8割安くなる」と聞いたことがあるかもしれません。小規模宅地等の特例で減額されるのは、条件に合う土地等の相続税評価額です。相続税の総額が一律に8割減る制度ではありません。どの土地を、誰が、どのように受け継ぐかで適用が変わります。
編集:株式会社A-LINE
更新:2026年9月24日
検討の入口になる3つのポイント
- 特例は、相続税を計算する土地等の評価額を一定範囲で減らす仕組みです。
- 自宅・事業用・貸付用で、限度面積と減額割合が異なります。
- 取得者に応じた保有・居住・事業継続等の条件を確認してから、売却や利用変更を決めます。
1.建物ではなく、対象となる宅地等の制度です
相続開始の直前に、亡くなった方または生計を一にしていた親族の居住や事業に使われていた宅地等のうち、条件に合うものが対象になります。対象は土地や土地の上に存する権利で、建物そのものの評価を下げる制度ではありません。
また、農地などはこの制度の対象となる宅地等とは区別されます。固定資産税の資料に書かれた地目だけで判断せず、相続時の実際の利用と権利関係を税理士に伝えます。
| 主な区分 | 限度面積と減額割合 |
|---|---|
| 特定居住用宅地等 | 330㎡まで80% |
| 特定事業用宅地等・特定同族会社事業用宅地等 | 原則として合計400㎡まで80% |
| 貸付事業用宅地等 | 200㎡まで50% |
表は区分の概要です。それぞれに要件があり、複数区分を併用すると面積調整が必要な場合があります。限度面積を単純に足してよいとは限りません。
2.自宅の土地は、誰が相続するかを確認します
同じ自宅の土地でも、配偶者、同居親族、別居親族では条件が異なります。配偶者が取得する場合と、同居親族が取得して申告期限まで保有・居住を続ける場合を、同じ条件で考えないようにしましょう。
別居している子が取得する場合も、一定の要件で対象となることがありますが、「自分の持ち家がない」という一項目だけでは判断できません。被相続人の配偶者や同居の相続人の有無、取得者の過去の居住・所有関係など複数の条件を確認します。
住民票の住所だけでなく、実際の暮らし方がわかるように整理してください。二世帯住宅、複数の住宅、老人ホーム等への入所がある場合は、建物の構造・登記や利用履歴も確認事項になります。
3.賃貸不動産は、貸し始めた時期にも注意します
貸付事業用宅地等では、対象となる事業の継続と土地の保有などが条件です。相続直前に賃貸にした土地なら必ず対象になる、というものではありません。相続開始前3年以内に新たに貸付事業を始めた宅地等には、原則的な除外と一定の例外があります。
賃貸借契約、賃料の入金、空室期間、募集状況、土地・建物の所有者をまとめておきます。駐車場も名称だけで適用が決まるわけではなく、土地の状態や利用実態などの確認が必要です。
収益不動産を複数持つ家族では、どの宅地等を選択するかによって効果が変わります。節税額だけでなく、今後売却する候補、管理できる人、修繕資金の必要性も共有して比較してください。
4.売却・解体を先に決めると、想定が変わることがあります
保有や居住などの継続が条件となる人が申告期限前に売却・転居する場合、適用への影響を確認する必要があります。「納税のために売るから大丈夫」とは限りません。
解体や利用変更についても、対象となる区分や取得者、実施時期によって検討が必要です。売却予定日だけでなく、契約・引渡し・退去・解体の日程を一つの予定表にし、税理士へ見てもらいましょう。
土地の一部だけを売る場合は、残す部分への影響や選択する面積の計算も確認します。不動産会社には「特例を検討している」と初めに伝えると、税務確認を待つ工程と販売準備を分けやすくなります。
5.申告までに確認する順番
- 土地ごとに相続開始直前の用途と利用者を整理する。
- 取得候補者の居住・所有・事業の状況を確認する。
- 売却や転居の予定を含め、継続条件を満たせるか検討する。
- 複数の対象地がある場合、適用する土地と面積を比較する。
- 遺産分割と申告に必要な資料を、税理士の案内に沿って準備する。
適用には申告書への明細と必要書類の添付などが必要です。特例を使うことで基礎控除以下になる場合も、申告が必要となるため確認してください。未分割の場合の扱いや、期限後に分割した場合の手続きも個別に確認します。
土地の価値と家族の予定を、同じ資料で検討しましょう
自宅を誰が受け継ぐかは、配偶者の税額軽減と住まいの承継にも関わります。相続税評価と売却価格を区別し、家族の資金需要を整理することが大切です。
A-LINEでは、さいたま市緑区・東浦和周辺の土地の売却・保有案と、準備に必要な物件情報を整理します。特例の適用は税理士等に確認し、その条件に合う売却日程を検討します。

















