A-LINE / 不動産売却ガイド
家を引き渡した後で雨漏りや設備の故障が見つかったら、売主はどこまで対応するのでしょうか。答えは、契約でどのような状態を約束したか、不具合がいつ生じたか、責任についてどんな特約を設けたかで変わります。売却前に、把握している状態と未確認の事項を整理することが予防の第一歩です。
編集:株式会社A-LINE
更新:2026年9月24日
この記事のポイント
- 契約不適合は、引き渡した物件が契約で約束した内容に合わないことです。
- 告知書、設備表、契約書の説明をそろえ、分からないことは未確認と伝えます。
- 通知期限や免責は一律ではなく、当事者と契約条項を確認する必要があります。
1.古さだけで責任の有無は決まりません
中古住宅には経年変化があります。しかし、古い家であっても「雨漏りはない」として契約したのに引渡し時点で雨漏りがあれば、契約内容との不一致が問題になります。一方、把握している傷みを具体的に説明し、その状態を契約の前提にすることもあります。
「現状有姿で引き渡す」という表現だけで、すべての責任を負わなくなるとは考えないでください。何を残し、何を修理し、どの状態で引き渡すかを、物件状況報告書や契約書で具体化します。
2.買主から求められ得る対応を知る
| 対応の種類 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 履行の追完 | 修補などにより、契約に合った状態にすることを求める |
| 代金の減額 | 追完の求めへの対応や法律上の条件を踏まえ、代金の減額を求める |
| 損害賠償 | 売主の帰責事由など、必要な条件を満たす場合に損害の賠償を求める |
| 契約の解除 | 不適合の程度や催告など、解除の条件を満たす場合に問題となる |
不具合があれば、買主の希望どおりにすべての請求が認められるという意味ではありません。通知の内容や事実を確認し、必要に応じて弁護士に判断を求めます。売主が知らなかったことだけを理由に、当然に責任がなくなるとも限りません。
3.告知は「いまの状態」と「過去の履歴」を分ける
雨漏りが過去にあり修理したなら、現在の症状だけでなく、発生時期、修理した箇所、工事資料、修理後の確認状況を整理します。シロアリ、給排水管の不具合、建物の傾き、浸水、境界や越境についても同様です。
- 知っている事実は、いつ・どこで・どのように発生したか記録する。
- 修理した部分は、領収書や施工写真、保証書を添える。
- 使用していない設備や見えない部分は、確認していない範囲を明らかにする。
- 売却活動中に新しい不具合が分かったら、告知内容を更新する。
推測を断定に変える必要はありません。「原因は分からないが、この場所に染みを見た」という伝え方でも、調査の出発点になります。反対に、知っている問題を空欄にして済ませるのは避けましょう。
4.「1年」という言葉の意味に注意する
民法の原則では、種類・品質の不適合について、買主が知った時から1年以内に売主へ通知する必要があります。ただし、売主が引渡し時に不適合を知っていた場合や、知らないことについて重大な過失があった場合には例外があります。通知期間と、請求権の消滅時効は別の問題です。
実際の売買契約では、責任の範囲や期間について特約を置く場合があります。「引渡しから必ず1年」「個人なら必ず免責」といった一律の説明は正確ではありません。
また、宅建業者が売主で買主が宅建業者でない場合などには、責任を制限する特約について法律上の規制があります。事業者と消費者の取引、新築住宅などでも適用されるルールが異なるため、当事者の属性を含めて確認します。
5.免責にする場合も、説明と合意が必要です
責任を負わない特約が検討される場合でも、知りながら告げなかった事実については、免責されないことがあります。買主へ渡した資料、説明した内容、双方が了承した状態を残すことが重要です。
設備だけ別の条項を設ける契約もあります。給湯器やエアコンを残すか、作動確認をするか、不具合があった場合の対応をどうするかを、建物本体の責任と混同しないようにしましょう。
建物状況調査を受けることも判断材料になりますが、検査の範囲外や、検査時点で確認できない部分があります。調査済みだから告知や契約確認が不要になるわけではありません。
契約前に、分からない条項を質問しましょう
「どの不具合が対象か」「いつまでに、どの方法で通知を受けるか」「修補する機会をどう扱うか」を具体的に確認してください。契約書だけでなく、告知書、設備表、修理履歴も一緒に見ると、説明の食い違いを見つけやすくなります。
A-LINEでは、さいたま市緑区・東浦和の売却に向け、物件情報と契約前の確認事項を整理します。責任の法的判断や紛争への対応が必要な場合は、弁護士への確認につなげます。

















