A-LINE / 不動産売却ガイド
家の評価が高いか低いかで、財産分与の話合いが進まなくなることがあります。大切なのは、都合のよい査定額を一つ選ぶことではなく、双方が同じ条件で価格の根拠を確認できることです。売却を予定する場合と、どちらかが住み続ける場合では、必要な資料や価格の使い方も整理が必要です。
編集:株式会社A-LINE
更新:2026年9月24日
査定書を比較するときの3つの要点
- 評価する時点、調査範囲、現況の前提をそろえてから金額を比べます。
- 募集価格、売却見込み、買取提示額、不動産鑑定評価は性質が異なります。
- 査定額と財産分与額は同じではなく、残債や他の財産、法的な整理も関係します。
何のための価格なのかを先に決める
第三者へ売る場合は、実際の販売条件と成約見込みを把握する必要があります。一方が取得して相手に金銭を渡す場合は、家の評価だけでなく、清算の対象となる財産と負債をどう扱うかが問題になります。
離婚協議や裁判所へ提出する資料であれば、先に弁護士等へ必要な形式を確認しましょう。不動産会社の査定書があれば必ず十分、不動産鑑定士の鑑定評価が必ず必要、というものではありません。依頼目的を知らせると、調査内容と必要な説明を合わせやすくなります。
査定額が違う理由を表にする
複数の査定額が離れている場合、単純に平均する前に前提を調べます。訪問の有無、比較事例の時期、修繕費の見込み、建物を残すか解体するかで価格が変わることがあります。
| 比較項目 | 査定会社へ確かめたいこと |
|---|---|
| 評価時点 | いつの市場状況を基準にした価格か |
| 調査範囲 | 室内・境界・道路・管理資料をどこまで確認したか |
| 比較事例 | 募集事例か成約事例か、物件との主な違いは何か |
| 引渡し条件 | 居住中、空室、残置物、補修等をどう想定したか |
| 価格の性質 | 売出提案、成約見込み、買取額のどれか |
同じ住宅でも、現況のまま売る価格と、片付け・補修後の価格を比べては結論がずれます。価格に含めた条件を文章で確認し、差の理由が説明できない部分は追加質問します。「高く査定した会社が正しい」とも「低い査定が現実的」とも決め付けないことが大切です。
室内を見られないときの査定
相手方が住んでいて訪問が難しい場合は、登記、購入時の図面、建築時期、外観、周辺取引など、取得できる資料による机上査定を検討します。室内の劣化や設備の状態を確認できない分、その限界を明記した価格の幅が必要です。
「室内未確認だが通常の使用状態を想定」など前提を明示すれば、後で状態が判明したときに何を修正するか分かります。過去の写真がある場合も撮影時期を記し、現在の状態と誤認させないようにします。無断で立ち入ったり、権限のない資料を取得したりする必要はありません。
ローン残高と費用は、価格から分けて示す
査定は物件の価値を検討するものであり、借入残高が多いから物件価格も高くなるわけではありません。査定額、残高、売却費用、清算後の見込み額を別欄で整理すると、何について意見が分かれているのか見えやすくなります。
実際に売らずに一方が取得する場合、将来の売却費用をどう評価に織り込むかなどは協議の論点です。不動産会社が財産分与の対象や割合を確定することはできません。婚姻前の資産、相続・贈与、頭金の出所等が関係する場合は、資料をそろえて弁護士へ相談します。
2026年の制度変更と、価格協議の進め方
裁判所の案内では、2026年4月1日以後に離婚した場合、財産分与の家庭裁判所への申立期間は離婚から5年以内です。それより前の離婚には原則として従来の2年が適用されます。起算や経過措置は個別に確認し、価格調査を理由に期限を放置しないようにしましょう。
話合いでは、まず合意できる条件と未確認の条件を分けます。金額だけを何度も出し合うより、同じ資料を専門家へ渡し、調査を追加する点を決めた方が前に進みやすくなります。査定資料には、作成日と使用した資料の時点も残します。
A-LINEへ査定の目的をお知らせください
東浦和・さいたま市緑区の不動産について、A-LINEでは売却を想定した査定の根拠と確認できない事項を整理します。裁判や協議への提出を予定している場合は、提出先の指定、希望期日、訪問の可否をお知らせください。

















