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中古物件のインスペクション(建物診断)で欠陥が見つかった際の、正しい交渉術
2025-12-11

中古物件のインスペクション(建物診断)で欠陥が見つかった際の、正しい交渉術

こんにちは、さいたま市緑区東浦和の不動産会社A-LINE(エーライン)です!

最近は、中古住宅を購入される際に「インスペクション(建物診断)」を実施する方が増えてきました。
安心して暮らすためには、とても良いことなのですが――

いざ診断をしてみたら、
「シロアリの疑いがあります」
「雨漏り跡が見られます」
「構造に影響する可能性があるひび割れです」

こんな指摘が並んでいたら、不安で一気に冷や汗が出てしまいますよね。

今日は、中古物件のインスペクションで欠陥が見つかったときに、
・どのように状況を整理し
・どのようなスタンスで売主様と交渉し
・どこまで求めるのが「現実的なライン」なのか
を、私が実務で実際に行っている考え方に沿ってお伝えします。


1.まず「欠陥」と「経年劣化」を分けて考える

インスペクションの報告書を見ると、たくさんの専門用語とチェック項目が並びます。
最初にやるべきことは、それを次の3つに分けて見ることです。

1)安全性に関わるもの
 ・構造(柱・梁・基礎など)に影響するひび割れ
 ・雨漏り、シロアリ被害、腐朽
 ・感電・漏電の危険がある配線 など

2)性能の低下・早期に対応したほうがよいもの
 ・屋根や外壁の塗装の劣化
 ・給湯器や設備の寿命
・床のたわみ、建具の建てつけ など

3)あくまで「好み」「使用感」の範囲
 ・クロスの汚れや傷
 ・畳の焼け、フローリングの小キズ
 ・デザインや仕様の古さ など

この整理をすると、
「命・安全に関わるレベル」なのか
「住めるけれど、修繕費がそれなりにかかるレベル」なのか
「単なる好みの問題」なのかが、はっきりしてきます。

交渉の中心に据えるべきなのは、当然ながら【1)安全性】と【2)性能低下+費用インパクト】です。


2.欠陥が見つかった直後にやるべき3つのステップ

インスペクションで“問題あり”と言われたとき、感情的に「やっぱり買うのやめます!」と言いたくなる気持ちも分かります。
ですが、いったん深呼吸をして、次の3つを淡々と進めることが大切です。

① 報告書の内容を、担当者と一緒に「日本語」に翻訳する
 専門用語の羅列だと、怖さばかりが先に立ってしまいます。
 ・今すぐ危険なのか
 ・放置するとどうなるのか
 ・どの程度の工事で済むのか
 を、不動産会社やインスペクターにかみくだいて説明してもらいましょう。

② 修繕が必要な部分の「概算費用」を把握する
 「問題があります」で終わらせず、
 ・このまま5年住んで様子を見るのか
 ・購入後すぐに工事が必要なのか
 ・工事するとしたら、ざっくりいくらかかりそうか
 を確認します。
 ※状況によっては、リフォーム会社に簡易見積もりを依頼します。

③ 「この条件なら購入する」という自分側のラインを決める
 ・売主負担で修繕してもらえれば買うのか
 ・価格をいくら下げてもらえれば、自分で工事する前提で買うのか
 ・どちらも難しければ、契約自体を見送るのか
 この「自分のゴール」を決めておくと、交渉がブレにくくなります。


3.正しい交渉のスタンスは「誰が悪いか」ではなく「どう解決するか」

売主様との交渉の場で一番大切なのは、
感情的に「こんな欠陥住宅を売るなんて!」と責めないことです。

中古物件の場合、
・売主様も気づいていなかった不具合
・前のリフォーム業者の工事の問題
が後から判明することも少なくありません。

ですから、交渉の際の言葉としては、

「欠陥があるじゃないですか」ではなく、
「インスペクションの結果、このような指摘がありました。
 このままでは購入後に大きな負担が生じてしまうため、
 どのように解決していくか、一緒に相談させていただけないでしょうか」

という伝え方をしていきます。

「責められている」と感じると、人は自然と身構えてしまいます。
逆に、「一緒に解決策を考えてほしい」というトーンで話すと、売主様も冷静に話を聞きやすくなります。


4.代表的な交渉パターン4つ

実務の現場で、実際によくある解決パターンは次の4つです。

① 売主様負担で修繕してもらう
 ・安全性に関わる重大な欠陥
 ・売主様の故意・重過失が疑われるようなケース
では、引き渡し前に売主様負担で工事をしていただく交渉を行います。
工事内容・工事業者・完了確認の方法まで、書面で取り決めをしておくことが重要です。

② 売買価格の値引き(指値)で調整する
 ・買主様が、信頼できる業者に自分で任せたい
 ・引渡し時期の都合で、売主様工事が難しい
といった場合は、想定される工事費用をもとに「価格調整」で交渉します。

 例)
  想定工事費用 約150万円
  →全額ではなく、100万円分の値引き+残りは自己負担 など、
  “折り合い”のラインを探っていきます。

③ 一部修繕+一部値引きの組み合わせ
 ・構造・雨漏りなど重要な部分は売主様負担で修繕
 ・内装やグレードアップ部分は、価格調整で対応
というように、リスクの大きい部分を優先して売主様に対応していただく形もよくあります。

④ 条件が折り合わなければ「やめる」決断も選択肢
 どれだけ話し合っても、
 ・売主様が一切の修繕・値引きに応じない
 ・インスペクションで「購入を強く再検討すべき」と判断されるレベル
の場合、無理に進めると、将来の後悔につながります。

 そのときは、契約書の条文(契約不適合責任やインスペクション特約など)に沿って、
 冷静に「見送る」決断をすることも、買主様を守る大事な選択です。


5.交渉を有利に進めるための“準備の仕方”

交渉の場で大切なのは、「感情」ではなく「材料」です。

■用意しておきたいもの
・インスペクション報告書(該当箇所にマーカー)
・問題箇所の写真
・工事会社からの概算見積もり
・自分たちの希望条件(修繕内容・値引き額・スケジュール)

これらをセットにして、
「この内容を踏まえて、以下のいずれかの対応をお願いできないでしょうか」
と、選択肢を提示する形でお話しすると、売主様も検討しやすくなります。

また、不動産会社の担当者は、買主様の“味方”につけておくことが重要です。
・何が不安なのか
・どこまで譲れるのか、どこは譲れないのか
・最終的に「この条件なら即決します」というラインはどこか
を正直に伝えておくことで、担当者は売主様へ上手に橋渡しができます。


6.A-LINEがインスペクション後に実際に行っているサポート

A-LINEでは、中古物件のご購入時にインスペクションを行う場合、次のようなお手伝いをしています。

・信頼できるインスペクション会社や建築士のご紹介
・報告書の内容を、お客様と一緒に「分かる言葉」に噛み砕いてご説明
・必要に応じて、リフォーム会社から概算見積もりを取得
・売主様側への説明資料(報告書抜粋+見積+ご要望条件)の作成
・売主様・相手方仲介会社との交渉の同席・代弁

「欠陥が見つかった=悪い物件」ではありません。
重要なのは、
・そのリスクの大きさをきちんと理解すること
・そのうえで、価格や条件とのバランスを冷静に判断すること
です。

中古物件には、“味わい”や“魅力”と同時に、“不安”もつきものです。
不安を抱えたまま勢いで進めてしまうのではなく、
インスペクションをいかして「納得できる取引」に変えていくことが、
後悔しない購入への近道だと考えています。

インスペクションの結果を見て「どうしたらいいか分からない」と感じたら、
どうぞ、報告書をそのまま持ってA-LINEにご相談ください。
一緒に状況を整理し、売主様との交渉方針を組み立てていきましょう。

不動産に関するご相談は東浦和駅徒歩1分、年中無休のA-LINEまでお気軽にお問合せください

特設サイト:https://www.a-l-i-n-e.jp/commission/
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